あったかい鍋と、受験前の本音と、持ち帰りのおにぎり
冷え込む夕方。
この日は、震災支援で関わる珠洲市のお米と橋本市の自分たちの畑の野菜も使った大きな鍋を囲んで、ごはんの時間が始まりました。
こうして夕方に集まり、ごはんを囲む時間をつくってきて、気づけば十数年になります。
来たときはどんよりした表情で、あまり話したがらない子もいました。
「テストどうやった?」と聞くと、受験を控えた中学生が笑いながら、
「全部合わせても100点いかんかった。しかもテスト中ちょっと寝てもてん」
と本音をこぼしてくれました。
点数だけでなく、色々ありながらもテストを受けきり、ここまで来たことを一緒に受け止めました。
少し前まで食が細かった子が、残さず食べきるようになり、
「おかわり、ちょっとだけしてみようかな」と言ってくれたのも、とてもうれしい変化でした。
帰る前には、子どもたちそれぞれが、
珠洲でもらった柿や、夜食用の小さなおにぎりを手にして帰っていきます。
ごはんのあと、カードゲームやおしゃべりをしているうちに、
来たときは無口だった子も、帰るころには表情が明るくなり、話す言葉も増えていきます。
「もうちょっとだけー」
そんな声が聞こえる夕方の居場所が続けられているのは、
お米や野菜、食材、ご寄付、ボランティアなど、さまざまな形で支えてくださるみなさまのおかげです。
いつも、本当にありがとうございます。





