2月8日放送のNHK総合「あさイチ」で、認定NPO法人 CPAOの活動の様子が取り上げられました。

「“突然消える子どもたち”〜コロナ禍の家庭で何が〜」
 2022年2月8日放送日 NHK総合「あさいち」

今回のあさイチでは、現在私たちが取り組む《子ども・若者アウトリーチ&サポート プロジェクト》につながる "しんどさ" を抱えるコロナ禍の子どもたちの様子が取り上げていただきました。
CPAOからは代表の徳丸が出演し、また8年前のCPAOあさイチ出演時にも出演いただいた、けいこさん(仮名)とそのご家族に再度ご出演いただきました。

8年前の取材当時は、けいこさんのご家庭は離婚したばかりで、家族3人で新しい生活を始めたところでした。
現在のけいこさんは、介護施設のヘルパーなど3つの職場で勤務しており、コロナ禍で施設利用者が半減し、仕事が減り、月収が14万に落ち込みました。
生活の不安から心身ともに調子を崩したそうです。

17歳の長男は、毎晩のように悲壮な表情で母親から叱りつけられることに耐えられなくなり
「あぁ、疲れているんだな。ぎくしゃくした気分が長かった。自分の気分を安定させるために。(家を出た)」と話していました。

けいこさんのご家族で取り上げたように、これまで関係が良好に見えた家族でさえもコロナ禍でストレスが高まり、子どもが家出するケースを数多く見ています。

これらを受け、CPAO徳丸はコロナ禍の子どもたちへのサポートの必要性を訴えました。

(CPAO 徳丸)

「親御さんの中でも仕事がなくなったり減らされたり、すごく色んなストレスを抱えている。
その中で、子どもたちもコロナでダメージを受けていて、大変な課題を抱えている。

本当に手厚くサポートしていくことでしか、子どもたちの家出の問題などを防ぐことはできないと思っています。」



スタジオでお話しされていた、大阪府立大学 人間社会システム科学研究科 山野 則子さんの調査も、とても興味深いものがありました。

下記にアンケート調査の掲載ページがありますので、ぜひご覧ください。

「コロナ禍における子どもへの影響と支援方策のための横断的研究」報告書を発表―高いストレスを抱える子どもが3割強、見えないリスクが可視化―
https://www.osakafu-u.ac.jp/press-release/pr20210405/


《番組内容より要約》
2020年度に全国の10代の子どもと親への調査と、児童相談所や学校、相談機関も含め調査を行った。
その結果、9割の子どもたちが何らかのストレスを抱えており、「何もストレスを感じていない」という子どもは1割ほどしかいなかった。

親:仕事の変化(収入がなくなる、働き方が変わるなど)→心身の不調

子ども:割合として最も大きかったのは「親からのストレス」親の体調不良や経済的な問題など、親のストレスを子どもが引き受けてしまう。

コロナ禍の中で空間が閉じられて、親子でお互いにストレスが大きくなっていく。
アンケートで、子どもは「家庭での居場所に困っていた」と答えていたが、親が気付いていないことが多かった。
毎日行ける場所が学校だったのに、コロナで休校もあり、学校にも家にも居場所を失くしていった。

 家の中でストレスでパンパンに膨らんだ状態に。居場所がなくなり子どもが家出をする。

(大阪府立大学 山野さん)

ここまで来ると、親子だけで改善することは難しい。
親も子も、気軽に話せる相手・気軽に話せる場所があると良い。相手と話すことで自分が客観化されたり、アドバイスが得られたりする。

学校や近所の人も、『あるがままを聞いてあげる相手』になることを意識してくれたら。
決して深い話しを求めているわけではなく。」



スタジオには、徳丸とも交流がある滋賀県大津市にある特定非営利活動法人子どもソーシャルワークセンターの幸重忠孝さんがお話しされていました。

(幸重さんは、CPAOのFacebookページにもコメントを寄せてくださっています。)

(特定非営利活動法人子どもソーシャルワークセンター 幸重さん)

「子どもソーシャルワークセンターのような子どもたちをケアする施設の数が足りていない。
子どもたち一人ひとりに、相当なエネルギーがかかる。

限られた一軒家でやっている活動なので、『どんどん来てください』と言うほどスタッフ的や資金面での余裕があるわけではない。一人ずつを救うしかない。

徳丸さんが言ってたように、本当にしんどい家のことについては時間をかけてゆっくり関わっていくしかないので、非常に労力がかかる。



子どもたちに対して手厚くケアしていくことの必要性について、山野さんから最後に以下のようにお話しがありました。

(大阪府立大学 山野さん)

資源でありサービスとなるメニューが一番少ないのが10代。
乳幼児期は政府が、義務教育もまだ見える化しているが、高校生年齢になるとうんと見えなくなるし数も少なくなる。

こうした放送をきっかけに、『そこに手厚さが必要なんだ』ということに政府が動いて欲しいと感じた。」



私たちが現在取り組む《子ども・若者アウトリーチ&サポート プロジェクト》は、まさにこの年齢層の子どもたちに対する活動です。

引き続きサポートを続けるとともに、みなさまから活動へのご理解を得られれば幸いに思います。